本当は書くの嫌だったんだがつい書くと言った手前

まんが男根昔ばなし「かさじぞう」
あるところに一人のジジイがいた。彼はクソ貧乏だったので、正月にもちを買う金もないというか、まもなく正月だというのに家にある食い物といったら安売りで買ってきたレトルトカレーと(カレーはあるが米がない)ドンキーで投げ売りされてた賞味期限ギリギリのカップ麺(現在はすでに賞味期限は切れている)だけというありさまだったので、何を考えたか貧すれば鈍するというか、街で自分の手作りの笠を売って正月のもち代を稼ごうと思い立った。
だが傘なんて百均で買えるし、手編みの品物が一番嫌がられるプレゼントというこの御時世に、キモいジジイが自分で作った笠なんて売れるわけもなく、ジジイは売れ残りの笠を抱えて戸塚駅から徒歩一時間の道のりを雪の中とぼとぼと帰っていた。途中、ジジイの目にふと路傍の六体の石地蔵が目にとまった。
「おお、雪の中笠もなくお地蔵さんたちさぞ寒いことだろう。そうじゃ、どうせ売れないしわしの手製の笠を被せてやろう」
ジジイは自分の手製の笠を地蔵さんたちに被せてやったが、五体まで被せたところで笠が足りなくなった。
「おお、笠が足りんのう。どうしたものか。そうじゃ、笠のかわりにわしの金玉の袋を被せてやろう。毛も生えているし、毛細血管もあるからさぞかし暖かいことじゃろう」
ジジイは下半身を露出すると自分の金玉の袋を伸ばして、地蔵さんの頭に被せてやった。
翌朝、下半身を露出して地蔵さんにまたがり、凍死しているジジイが発見された。ジジイは生涯独身だったし、親類関係とも縁を切っていたので遺体は引き取り手がなく、無縁墓地に埋葬された。