ビタミン・練習

不定期連載・第二回
ズドドドーン!「ウワーッ!」
カート達の乗った船が王国の戦艦の砲撃を受け、大きく揺れる。
ブルベイカー「ワヒーッ!」
カート「おい!この鎖を外せ!」
ブルベイカー「鎖を外せだと!?この奴隷野郎が!何様のつもりだ!」
カート「お前それが仲間だった男に言うセリフか!?」
ブルベイカー「仲間だと?吾輩は貴様のようなノンケ野郎を仲間だと思ったことは一度もないわ!吾輩の仲間になりたかったら、今からでもこいつを根元までくわえろ!さあくわえろ!さあ!」
ズドドドーン!「ヒィーッ!」
ブルベイカーは恐怖のあまり、露出した例のあれから小便をほとばしらせながら、頭をかかえてどこかへ逃げ去ってしまった。
カート「おい待てって!鎖外してけって!あいつは最悪だな!」
奴隷A「ああ、もうダメだ。俺達は祖国の土を二度と踏むことなくここで死ぬんだ・・・」
奴隷B「いや待て。もしかして攻撃してきた戦艦が俺達を助け出してくれるかもしれん」
カート「バカ言ってんじゃねえよ。お前船と一緒に砲撃で吹っ飛ばされて、海のもくずになっちまうのがオチだよ。とっととここ逃げ出す方法を考えようぜ」
奴隷A「しかし、この鎖があるかぎり、俺達にはどうすることもできない・・・」
カート「なんとかこれ切れないか?いや待て。鎖を切るのは不可能だが、そこを見てみろ」
カート達奴隷のつながれた鎖は、先端が木の床にネジでとめられている。
カート「あのバカていうか奴隷監督か、奴隷監督が見ている時は無理だったが、そのネジくらいはなんとか外せないか?」
奴隷A「しかしネジ回しなんかここにはないぜ」
カート「いやこれほら、外れないか?フンッ!!」
カートが気合い一閃鎖を引っぱると、バキッという音とともに鎖は床から抜けた。
カート「思った通りだ。俺達は長い間の強制労働で、人並み外れた腕力を身につけていたんだ。今までは強制労働で気力をそがれていたため、それに気付くこともできなかった・・・」
カートの後を追って、あちこちから「フンッ!」という気合いと共に鎖を床から引き抜く音がする。
奴隷A「すげえぜ!俺達はこんなパワーを身に付けていたんだ!」
奴隷B「今こそ奴らに復讐する時だ!」
ズドドドーン!「ウワオォーッ!」
カート「ぐずぐずしているヒマはねえ。奴らは今頃応戦してるか、勝ち目がないと思ったら自分たちだけ脱出しようとしているはずだ。追いかけてつかまえれば、うまくいけば王国から報奨金でも出るかもしれん」
奴隷A「ようし、奴らに今までさんざん痛めつけられた礼をたっぷりしてやろうじゃねえか・・・」
船上。デスメタル帝国軍の兵士たちが、接近してくる王国軍の戦艦に大砲で応戦している。
ブルベイカー「将軍閣下ー!」
将軍「何だ奴隷監督か。お前も戦え!」
ブルベイカー「閣下ー!」
将軍「うわ何するんだお前!」
ブルベイカー、将軍の下半身にむしゃぶりつき、必死にズボンを下ろそうとする。
ブルベイカー「閣下!吾輩は以前から閣下のことを!」
将軍「バカお前キチガイか!やめろこんな時に!」
ブルベイカー「こんな時だからこそやってるんでゴワスー!せめて死ぬ前に男の男根を!死ぬ時は男の男根をくわえたまま死にたい!もしくは男の男根をケツに突っ込んだまま!閣下は吾輩のケツに男根を突っ込んでくださるでありますか!」
将軍「バカやめろってキチガイかお前!死ぬと決まったわけじゃねえだろ!死なないために戦ってるんだろが!」
ブルベイカー「死なないために戦う!何と男らしい言葉でありますか!吾輩の男らしいこれも見てくださいであります閣下!くわえろ!」
将軍「やめろって!そんなもの押し付けるな!しまえ!いいからお前この戦いで活躍したら、男なんていくらでもくれてやるよ!帝国公認のハッテン場の管理権を任せてもいい!だから戦えよ!」
ブルベイカー「帝国公認のハッテン場?そんなものがあるでありますか!さすが帝国!」
将軍「俺は行ったことねえけどな。むしろ近寄らないように気をつけてる。何しろそこでは帝国内の身分の差など関係なしに、男とみれば襲いかかっていい無法地帯だ。男根の太さが地位を決める男根社会だ。そこでは年中男達が下半身を露出して、獲物が通るのを待ち構えている」
ブルベイカー「ウホーッ!そんな素晴らしい場所がこの世にあるとは!吾輩がんばるであります!」
ズドーン!「ウギャーッ!」
帝国兵士A「大変です!船底に穴があいて、竜骨が真っ二つに割れました!」
将軍「何だそれおしまいじゃねえかこの船!」
帝国兵士B「大変です閣下!奴隷どもが反乱を起こしました!」
将軍「何だと!奴隷なんかお前力で押さえ付けろ!」
帝国兵士B「それが、奴隷どもはものすごいパワーで、人間の首を素手で引き抜いたりしてます!我々の手におえません!」
将軍「ふざけんなよおい!奴隷の管理は奴隷監督の仕事だろ!お前何とかしろよ!」
ブルベイカー「ウヒョーやっぱりもうダメでゴワス!閣下!」
将軍「やめろってバカ!このキチガイ!お前こいつを何とかしろ!殺せ!」
帝国兵士B「俺もこいつはむかつくんでいつか殺そうと思っていたであります。将軍のお許しが出た。奴隷監督、死ね!」
ズドギャーン!「グギャアーッ!」
ひときわ大きい爆発音と共に、船がグラリと傾くのと、「ウオオーッ!」という喚声と共にカート達が船上に姿を現わすのと同時だった。
続く