カートの日記

コンビニに買い物に行った帰りにポケットウイスキーを飲みながら道を歩いていたら、ホモの野郎がすっぱだかで車にひかれたヒキガエルのような格好で地面にへばりついていた。かかわり合うのは嫌だったがよけて通るのも癪なので、オレは何食わぬ顔をして通り過ぎようとした。
「カート君、カート君じゃないか?」
案の定、ホモの野郎は地面にへばりついた格好のままオレに声をかけてきた。無視したかったが無視するのも逆に意識しているように思われる気がして癪だったので返事をした。
「ああカートだよ。お前そんなところで何してるんだ?芋掘りでもしてるのか?人間だったら二本の足でちゃんと立って話せよ」
「ブフ、ブフ、ブフフフ…立って話さないのにはそれなりの理由がある。カート君、きみはあのテレビやマスコミで話題になった『ど根性大根』を知っているか?」
オレはテレビとかマスコミとか世の中のことに一切興味がないから知らないと答えた。
「まあいい。そういうものがあるんだ。吾輩はあのニュースを見て考えた。たかが植物があれほど脚光をあびるのなら、吾輩の立派なものももっと世間の注目を受けていいはずだと。そこで『ど根性大根』に対抗して、『ど根性男根』というのはどうだろうかと思い、たまたまここの地面にちょうどいい裂け目があったので、根性を見せるために男根を突っ込んでみたのだ。そうしたらふと男子高校生の大便画像のことが頭に浮かんで、男根が膨張して抜けなくなってしまったのだ…」
オレは「そうか」と言って立ち去ろうとした。
「待ってくれカート君。待ってくれ。待てって!待ってください!さすがにこの状態がこれ以上続くとまずい。通報されるのも時間の問題だ。今度という今度は厳重注意ではすまされないかもしれない。何しろ叩けば埃の出る身だ…五年や十年はくらいこむかもしれない…しかし、そんなことを考えていると、刑務所のシャワー室でケツを掘られる自分の姿や独房で看守から小便をかけられる自分の姿が頭に浮かんで、ますます男根が膨張する一方なのだ。ここは女子高生でも通りかかってスカートの中でも覗ければ、一気に男根が萎えて収縮してここから脱出することができるのだが、どういうわけか女子高生どもはここを避けて通って近付こうとしない!筋金入りの男色家であるこの吾輩が、自分から望んで女子に近寄ってほしいなどと思うのは後にも先にもこれ一回きりのことだ!なのになぜ奴らは吾輩に近寄ろうとしないのだ!ブタどもが!」
当たり前だと思ったが口には出さなかった。即通報されないだけでもありがたいと思うべきだ。というかなぜ通報しないのか?
「そこでだカート君、頼みがある。どうかここに女子高生を連れてきて、吾輩にスカートの中を覗かせてくれないだろうか。いや誤解しないでほしい。吾輩は本心からそんなものが見たいと思っているわけではない。女子高生のスカートの中など想像しただけで吐き気をもよおすくらいだ!男根を収縮させて、この状況を打破するためにしかたなく…カート君、カート君?君は何をやっているんだ?」
オレはコンビニの袋からさっき買ってきたジッポーのオイルを取り出すと、ホモのむきだしの毛だらけの醜いケツにそれをかけはじめた。
「そうかカート君、そのオイルを潤滑油代わりにして男根を抜けやすくしようというのだな?しかしカート君、だとしたらかける場所が違う。第一、そのオイルがケツを伝わって金玉に流れ落ちる感触で、吾輩の男根はますます膨張する一方ではないか。とどまることを知らない我が男根の膨張率。ブフ、ブフ、ブフフフ…そういう遊びならここを抜け出してから公衆便所で思う存分つきあってやるから、今は女子高生をだな」
オレはマッチに火をつけてオイルまみれのヌラヌラ光る汚らしい中年男のケツに放り投げた。ケツは一瞬のうちに炎に包まれた。金玉もだ。
「グギャアアアーッ!!」悲鳴とともにスポーンという音がして奴のナニが地面からすっぽ抜けた。奴はバタバタとケツを叩いて火を消した。
「そうか!さすがカート君!熱さと恐怖で一瞬にして男根が収縮して抜けるのも、全て計算のうちだったというわけだな!まさに火事場のクソ力ならぬ火事場のど根性男根!この美談はスポーツ紙の一面を飾ることまちがいなしだ!とにかくよく吾輩をこの窮地から救ってくれた!お礼に男根を握ってあげよう!さあ出したまえ!」
当然そんなつもりはなく、単に奴のケツを見ていたら無性に燃やしたくなっただけだ。オレは奴の顔面に拳で一撃を入れた。奴は一撃で昏倒した。オレはその場を立ち去ると、そこらへんにいた散歩中のじいさんにこの先にすっぱだかの男が寝転がっているから通報したほうがいいと言って帰った。オレはホモの奴のことばかり書いている気がするが書きたくて書いているわけではない。他に書くこともないだけだ。