バカ医者の日記

俺の名はホワイトジャック。医者だ。カートやベンガリアンですらみんな覚えているかどうか微妙なのに、俺のことなど覚えている人はいないだろう。みんなは俺のことをバカ医者と呼ぶ。俺は医者だし自分でもつくづく思うほどバカだから、それは間違ってはいない。バカで医者が成り立つのか?と疑問に思う方もいるかもしれないが、それは根本的なことを忘れている。この物語は基本的にヒロイック・ファンタジーの世界だということだ。文明開化以前の開業医の恐ろしさを侮ってはいけない。
それはさておき、俺は今日世にも恐ろしい事態に遭遇した。再びこのような恐怖に襲われる人が少しでも少なくなるよう、俺は俺が体験した恐怖をここに記録する。今こうしてこれを記しているということは、少なくともその恐怖体験により命を落とすようなことはなかったということだが、もとよりそれは生命の危険がどうという次元の話ではない。死ぬ危険はなかった。だが、覚えておいてほしいのは、この世には死ぬより恐ろしいことがあるということだ。それを経験してしまった以上、俺はもはや昨日までの俺には戻れない。この恐怖を背負って生きていかなければならない。それはある意味では、死ぬよりも忌わしいことだ。俺の恐怖体験の記録を読むということは、それはこれを読んだあなた自身も昨日までのあなたには戻れなくなる可能性もある。だがしかし、読むのと実際に体験するのとでは、天地ほどの差があるのも事実だ。あなたが俺の味わったような恐怖を味わわなくてすむように、事前に危険を回避するためにはこれを読まなくてはいけない。それが賢明な行動というものだ。覚悟して頂きたい。あなたは真の恐怖を知るだろう。そしてそれを知ることによって、事前にそれを回避する術を学ぶことができるのだ。私が遭遇した悲劇を、繰り返してはならない。たとえ誰であろうと、あのような悲劇に見舞われていいはずがない。そのために私は書くのだ。こうして書くことによってあの恐怖が今もなお現実のように脳裏をよぎることがあっても。この勇気を讃えて頂きたい。この人類愛を!そしてこれを読むことによってあなたが繰り返し襲われる悪夢に夜毎うなされることになろうともそれは実際にこの恐怖を体験する危険を逃れたことを思えばなんと安い代償であろうか!
だが眠くなったので続きは後で書く。さっき山ほどドーナツを食ったから腹いっぱいで眠くてしょうがないよ。今日が賞味期限だったので半額だった。ラッキーだった。眠いので寝るから続きはまた後で。